「変わりたいのに変われない」

2025.03.30

セラピーは段階的に進みます。

ほとんどの場合
辛い症状や悩みを解放することから始まります。

そして鬱積した感情解放のプロセスを終えると、
直面化のプロセスに向かう事になります。

これからどう生きるのか、どんな風に振る舞うのか、
実存的な部分への取り組みです。

つまり

「変わる」ことに直面するわけです。

このプロセスでは
古い性格パターンとの衝突で悶々とすることも増えていきますが
自分の人生を生きる以上、避けては通れない部分でもあります。

単に構造だけを考えれば
自分を変える事、性格を変える事は極めて簡単な事です。

単に形成された「性格」に過ぎないからです。
性格はいくらでも変える事が出来るものです。

性格は変わる・性格の鎧と形成のプロセス

しかし実際は
結局同じパターンの悩みに戻り「変わりたいのに変われない」と嘆き続けるのはなぜでしょうか。

一つは
「変わりたい」という言葉の背後に
今の性格のままでなんとかなる方法が欲しいという願望が隠れているからです。

性格は、不快を避ける方法として
長い年月をかけて形成された、リスク回避のための大切な仮面です。

多少不具合があっても使い慣れたものですから、手放すのがとにかく惜しいのです。

ですが、そこに執着し、しがみついていると
「変わらない」という願いは叶い続けるわけです。

環境を変えて自分に変化が起きることを望んでも
誰かが救い出してくれるのを求めても

変わらないための努力を続けている限りは
自分の力で同じ悩みや苦痛を作り出していく事になります。

もう一つは

悩むこと自体が変わらないための性格パターンになっている事です。

忙しく考え、時に行動もしますが、実際は変わらないための努力や行動を必死にしています。

このパターンで良くあるのが
「変わりたい」と「難しい」が互いに協力し、立ち止まるために努力し続けていることです。

⓵変わろうと思った(行動した)
⓶難しさと直面した

を繰り返しているわけです。

他にも
古い行動パターンのまま、理解だけが進んで言い訳上手になってしまう場合なども多いです。

何ものでもないあなたのままを体験すること

ゲシュタルト療法に、変容の逆説的理論という独自の哲学がありますが
変わりたいならあなたのままでいる(変わろうとすることをやめる)という事です。

古い性格をやめて

自分の中心、あるいは、存在としての充足を体験すると
こだわりや執着のある性格がちっぽけなものだと感じます。

ですから

体験的心理療法、実存的なセラピーは
単なる癒しや解放を超え、存在への自信、充足を得るために
時に苦悩と直面し、向き合う時間を大切にしています。

解放はとても気持ちいいですし、感情解放だけやっていた方がセラピストもクライアントも楽なのかもしれません。

しかし、クライアントの人生に真剣に向き合うと
その楽なプロセスに執着は出来ません。

いずれ解放中毒になるだけです。

そういう意味で

「変わりたい」ゲームに気づく悶々とした時間は
とても大切なプロセスです。

時間がかかるプロセスですが

性格に執着せず、
自分を自分で満足させる力は人生で最も重要な能力です。
地道に取り組んでいきましょう。

 

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