現代の悩みの原因の一つに
とても深く関連しているのは
いい子ちゃん指向です。
ポジティブ指向と言っても良いでしょう。
躁的防衛を高める社会的指向です。
この指向性の圧力によって
苦しみ続けている方はとても多いです。
私はそういった方をサポートしている立場として
このあたりはしつこーく伝えたいことでもあります。
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伝える側の影が相手の症状として現れる
以前、挨拶をしない子供について相談を受けたことがあります。
子供に1年間挨拶をするように伝え続けてきたが
一向に出来ないので発達障害か何かではないかと心配されていました。
では、そこで実際は何が起こっていたのか。
伝え続けられた子は、
自分の弟に厳しく挨拶を強要するようになっているのがわかりました。
むしろしっかり伝わっていたわけです。
このことからわかるように
子は親が伝えたことを
感情や空気を含む全てで受け取っています。
本音を受け取っているわけです。
子は脳のミラーニューロンを通して
「動き」と「感覚」を引き継ぐ、と言われます。
この事例については、
その後親が自分に向き合う事ですぐに解決しました。
主訴の相談についても
引き継ぎは大成功。健康な我が子にちゃんと伝わってましたねー笑
と笑い話が出来る様になりました。
この程度の内容であれば良いですが
親の抑圧が強すぎると、現れる症状に比例しますし
笑い話ですまない事もあります。
早くに気づけたことは本当に良かったと思います。
このように
多くの大人が、
社会的に作られた「正しさ」を求めるあまり
ネガティブな要素を抑え込み、抑圧しています。
そう生きてきた元子供の大人達は、
社会的な正しさしか目に入らず、子供達に表面的で綺麗な振る舞いを強要します。
それは
厳しい態度でも、過保護でも
子供をコントロールするためという意味になれば強要、侵入的です。
正義や成功
愛や優しさ
といった大人が描く桃源郷の中だけに閉じ込めていく。
悪や失敗
憎悪や怒り
そんなのあっちゃダメ。
あなたの人生にはそういうフェーズはないんだよ。
と伝え続けます。
しかし、実際子供達は
大人たちが抑圧した本音を感じ取りながら
それも含めて完全再現している。
これでは健康な心は育ちません。
つまり
自分の気持ちを抑え込みながら「幸せ、成功、正義」
と言ってる人はむしろ不健康な状態なんです。
心理の分野でも
クライアントの成功、理想、心地よさだけに
フォーカスしていく手法として使われる事がありますが
それは単に躁的防衛を強めているだけです。
実際にはより抑圧を強めている事に注意が必要です。
可能性を奪わないこと
心理学的に解釈すれば
それは
悪の抑圧により反動形成された欺瞞の社会です。
こういう理想主義的な社会の問題を考えていかないと
子供達の自由や健康はありえないように感じます。
大人達の社会が不健康な社会であれば
子供は完全コピーしていきますから。
素直な感情で在りたいという人を狂気と呼び
表面的な振る舞いで生きる人を正気と呼ぶ。
それじゃ
正気という名の狂人の社会じゃないかと感じます。
だからこそ
そんな自分として生きにくい社会の中で
「私は調子悪い」「私は疲れた!」
と言える事が出来るのは、むしろ健康な証だという事です。