学んでも症状は良くならない

2024.11.10

  • 前回ポリヴェーガル理論について書かせていただきました。

ポリヴェーガル理論(トラウマ理論)

  • 読んだ方からメッセージも頂きました。ありがとうございますm(_ _)m

  • では

  • 理論がどう実践に繋がるのかという話をしたい所ですが

その前に大事なポイントだけ書こうと思います。

なぜ、理論が広まっているのに
トラウマは減る様子がないのか。
その一つの理由についてです。

心の世界では良くあることですが、
症状が解明され病名が増える一方で、
病気の人も増えている。

臨床では良く感じることです。

今、ポリヴェーガル理論と調べてみて下さい。
沢山の詳しい理論が出てくると思います。
当然、具体的な改善方法も多少は出てくるでしょう。

しかし、それはどこまでいっても、
認知の気づきのレベルです。
気づきについては以前にお話しました。

気づき(アウェアネス)

 

理解を深める事はとても大切な事です。

ですが、その先は実践、体験しかありません。

何かを知ったからといって、
症状が治ったり、良くなるわけではありません。

詳しく説明が出来るようになるというだけです。

ここはとても大切なポイントです。

一つ事例を話してみます。
保護の観点で内容は少し創作します。

あるセラピーの場面での話です。

脳神経についてかなり勉強されている方が来られ、
自分の前頭葉の活動の問題について
詳しく話をしてくれました。

薬は対処療法である事や、
ストレスホルモンが内臓に影響し
感情が鬱積していることなど、
私が説明する余地もないほど
とても納得出来る説明で関心しました。

ですが、実際セラピーが始まると状況は全く違いました。

身体感覚へ意識を向けると
呼吸は浅く、身体は緊張し、身近な心の問題に触れると、
意識が遠のいていくような反応が出ます。
物凄い速さで背側モードに入ってしまいます。

意識を思考に戻してもらい
脳神経の話になると、意識が明瞭になり説明を始め調子が戻っていきます。
この繰り返しになりました。

結局、身体を感じる準備が整うまで
かなりの時間カウンセリングに取り組むことになりました。

徐々に身体のワークを始め、
半年ほどかけてセラピーを必要としない所まで不調は改善しました。

この方の場合

不調に気づき自分の問題をかなり解析されていました。
これはとても素晴らしいことでしたが

問題なのは、
いつの間にかその知識が、
本当の問題を避けるための行為になっていたことです。

その他にも

子育てで悩んで子育て本を読みまくっている方
症状のエビデンス収集が止まらない方
心理に興味を持ち、講座を受けまくっている方
資格コレクターになっている方

これらは私がセラピーで関わってきた方達の一例です。

ほとんどの方が、

話は元気に出来るけど、感覚に触れると背側モードになる。
という同じ傾向を持っていました。

当然、カウンセリングにかなりの時間を費やしました。

これらの事例でわかるように

自分について詳しい事と、自分が心地よく生きている事とは無関係です。
最近は特に、知識の入れすぎで心身に悪影響を及ぼしている方が多いと感じています。

ネットを見ていると謎の心理系の講座がどんどん出てくるし、ある意味恐ろしいと感じます。

体験的に言える事は

見た事も体験した事もないまま情報が大きくなりすぎると、
身体と思考がバラバラになっていくという事です。

何かを知ったのであれば、それを同時に行うこと。

体験が伴った時が腑に落ちる時です。

これを忘れずに。

前置きが長くなりましたが、次回こそは
実際のワークの内容を書いていこうと思います(._.)

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