息苦しさは、心の反応として最も現れやすい症状です。
ストレスによって交感神経が活性化し、早く短い呼吸になることが主な原因です。
夜寝るときに苦しくなったり、過呼吸のような状態になる方も見られます。
一次的なものであれば心配いりませんが、日常生活で再発が続いている場合は
恐怖や過度な不安が身体に記憶され、ストレスを受けた状態を再現し続けているかもしれません。
症状に目が向くと、症状を和らげる方法を求めたくなりますが、根幹の原因である心理的要因を解消する以外に治すことは難しい状態です。
心と身体を整える心理療法
先に述べた事からわかるように、心と呼吸には密接な関係があります。
身体の不調と心の不調は同時的に起こっているからです。
心理学の文脈では機能的同一性と呼ばれ、東洋思想には古くからある考え方です。
代表的なものに禅が挙げられます。
坐禅は「調身、調息、調心」を基本に自分と向き合う修行を行います。
姿勢を調え、呼吸を調え、心を調える。
心と身体の関係を深く理解した、シンプルでとても理にかなった方法です。
心理療法の中にも禅を応用したものが取り入れられ、その効果は良く知られています。
sonomamaで行っている、ゲシュタルト療法の「3つの気づき」もその一つです。
- 思考、身体、五感の3つ全てを使い、今起きている事に刻々と気づいていくことです。
気づきは症状の根幹にある意味を理解していく事に繋がります。
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心の問題は自然と浮かび上がってくる
様々なアプローチによって気づきが深まると、身体の感覚を通してふと記憶が戻ることがあります。
- 今向き合う必要のある重要な事柄が、風景や映像のように浮かんできます。
この記憶は日常的な記憶と違い、時間や空間、文脈に囚われない特徴的な場面です。イメージの様な形で現れる場合もあります。
このように、今生まれた記憶やイメージから自分への探求心が深まった時、息苦しさ(呼吸)の変化が同時的に起きていきます。
癒しだけを求めて坐禅や瞑想などをすると、表面的になることが多く、この小さな記憶をキャッチ出来ず流れてしまいます。
逆に重大な記憶に触れても、受け止めきれず、その体験が新たなトラウマ体験になってしまう場合もあります。
やはり、セラピストと共に居る空間の中で適度に向き合う事が大切です。
特に、息苦しさ、過呼吸などの身体症状が強い場合は、単に呼吸を整えるよりも
「今自分がしていること」「自分に何が起こっているのか」に気づくプロセスが重要な場合があります。
症状消失よりも、この気づきのプロセスに時間をかけ、辛抱強く取り組めることが最終的な状態を左右します。
直面する恐怖、受け入れることへの不安を、回避、排除せず丁寧に進んでいくことが重要です。
身体から心へ、心から身体へ
sonomamaで行うセラピーは、心から身体へ、身体から心への様々なアプローチを行います。
そこから出てくる、一人で向き合う事の難しい内容に安全に取り組める空間です。
今回お話した「息苦しさ」などの呼吸の症状は、相談に来られる方に最も多く見られるものですが、ほとんどの方は、自覚症状はあっても、それがどんな心の反応によって起こっているのか、その根幹には気づいていません。
まずは心に触れる小さな勇気です。急ぐ必要はありません。むしろゆっくりと自分を理解し、自分の力で楽に生きれることを目指しましょう。