人の感情表現には5つの層があると捉えます。
ゲシュタルト療法ではこれを五層一核と言います。
それは自分の顔を隠すために何層にも貼られた
車のフィルターや、女性が化粧をした姿に似ています。
この層は表層から順に
・決まり文句の層
・役割の層
・行き詰まりの層
・内破の層
・外派の層
と順に深くなっていきます。
そして
外破の層の先に真の自己が存在します。
真の自己に触れ、そこから生まれる原初的な欲求を元に
人生を選択する能力が人間としての成長や成熟。
この能力を回復していくのがセラピーの目的です。
しかし、他者の評価が重視される環境では
成長の意味が役割の層の中で滞り
・会社での肩書きや能力
・貯蓄額や年収
・母親として、妻として
・家系の中の立場
など、ラベル付きの自分への評価を成長として捉えて生きていく事になっていきます。
この層での努力は
すればするほど苦しさを生みます。
行き詰まり、内破、外破の層といった深い感情表現に入れず
本来の自己に触れられないからです。
これらの層は、死の層とも呼ばれていて、
自分の役割(ラベル)ばかりを気にして生きた末に
ラベルを外す事への恐怖が生まれることからきています。
セラピーでは本当に行き詰まった様に言葉が出なくなる段階です。
化粧や加工した姿を自分だと思い込みすっぴんになっていくことが恐怖になるわけです。
これをワークで深めていくわけですがなぜわざわざ恐怖に向かうのか。
それは多くの人はどこかで自分の心地よさを知っているからです。
・休日に羽目を外したり
・自宅に帰るとすっぴんで伸び伸びと過ごしたりするでしょう。
あるいは、なぜか小さい子供相手になると無邪気になれる方も多いと思います。
つまり
ラベルのない本来の自分の姿に憧れながらも
現実は役割の自分が努力し続けている状態。
この葛藤が苦しさの正体です。
セラピーでは
自分の行動が、深い感情表現の自分から起こることを目指します。
フィルムを外し、化粧を落とし、
すっぴんの自分からやり直していくわけです。
稀に真の自己に触れていくプロセスで胎児期の体験をされる方がいますが
これも自然なプロセスです。
バーストラウマ、という領域の話になります。
sonomamaでは、
古典的ゲシュタルト療法、ハコミセラピー、フェルデンクライスなどを応用し、死の層へ入りやすい状態をサポートしていきます。
役割(ラベル)のない自分とは何なのか、一度ゆっくり感じてみる事をお勧めします。