sonomamaでは、ワークのステップの初期に感情の解放を勧めています。
これは通常のカウンセリングやセラピーにはないsonomamaの特徴だと思います。
しかし
感情解放という言葉を聞くと、怖さを感じて抵抗のある方が多いです。
少しでも取り組みやすくしたいので
その意味と背景について書いてみようと思います。
生き物の基本的な機能は2つだけ
まず、前提として、心理的、肉体的に感じる悩みや苦しさの根本の一つは
自由な感情表出の拘束によるもの。ということを知っておいてください。
人間が持つ基本的な機能は、
⓵食べる、酸素を取り入れる、感覚刺激などによる感情のチャージと
⓶運動によるディスチャージ(放出)することです。
この2つだけです。
つまり健康な身体と心の状態とは
極端な言い方をすれば
感情が10溜まったら10を出す。
というサイクルがスムーズに流れていることになります。
※感情はEmotion(動き)の事ですから、
ここでは身体と心を一つのもとして理解しておいてください。
身体や心の不調というのは
この流れが解放されず、拘束状態になっていることです。
例えば
10溜めても5しか出ていないと感情は便秘みたいにたまっていきます。
不満は口に出すけれど、はっきりとは言い切れない。
残った便がどんどん詰まっていく感じです。
すぐにイライラとして文句が多い人になるでしょう。
逆に1しか溜めないように身心の感覚を閉じていると、栄養を吸収しない下痢状態です。
気の小さい人に見えるかもしれません。
こういう人はチャージが足りず、エネルギーが溜まらないので、自分の意見がないように見えます。
この二人はちびまる子ちゃんの永沢君と藤木君みたいな感じが少し近いですね。
実際にストレスと腸の関係はホルモンなどの関係で親密に繋がっていますから
本当に身体の症状として便秘や下痢が現れてきますし、体格や表情にも現れています。
つまり解放を先に進めていく理由は
この長年習慣づいたエネルギーチャージとディスチャージの問題をまず白紙に戻していく必要がある。という事です。
解放が怖いのは当然のこと
ですが
この白紙に戻していく、というのが怖くなるわけです。一体何が怖いのでしょうか。
例えば粘土で作品を作っている所を想像してください。
一生懸命作り上げてきた作品です。
しかし途中から何か違和感を感じ、不満足を感じてきたとします。
すると
やり直したい気持ちと、壊すのはもったいない気持ちが葛藤し始めますよね。
ここで2つの道が見えてきます。
⓵既存の作品を残したまま、新たに粘土を足していく事
⓶一度つぶしてもう一度作りたいように作り直す事
お気づきの通り、解放とは⓶の選択になるわけです。
どれだけ不満でも、今までの努力を水に流すのはとても怖い行為です。
つまり、怖さの正体は自分を一度壊す行為です。
セラピーは死と再生の場と言いますが、その通りなんですね。自分を殺す事への恐怖です。
誤解しないで欲しいのは、自分を否定する行為ではないということです。
壊すプロセスがあるからこそ、その中で今までの自分を大切にしていく事が出来るんです。
隠す事や、別の何かに変わる事ではありません。
⓵を選び、不満の上に何かを付け加えていっても、不満は新しい粘土で埋もれて見えなくなるというだけで、ずっと隠れています。
こうなると、自分の今までの努力も見えなくなり、むしろ自分を無視し続ける行為になってしまいます。
これを心理学的には抑圧と言います。
良くある話で言えば
痛みをとりたいという動機だけで身体や心を緩め続けても、また同じ痛みや悩みがぶり返すのは、この理由です。
私が初期に解放を重視していくのは、この抑圧を残さないためです。
ある程度良くなると途中で解放をやめる方もいますが、これも同じです。
ほとんど解放された、というのはありません。ほとんど治った、という風邪は油断するとすぐにぶり返します。
完全に治った。という事から次の生活を考え始めなければ、微細な抑圧が細胞分裂のようにまた増幅していきます。
解放の定義
sonomamaでは
動き、言葉(声)、感情が伴った
怒り、悲しみ、喜び
を全て十分に表現できることを解放のラインにしています。
しくしく泣くことは悲しみの解放ではなく
イライラしているのは怒りの表現ではありません。
傾向として
男性は泣けないことを怒りに
女性は怒れないことを悲しみに
転換していることが多いですが、これも違います。
動きと言葉と感情の一致した表現をすることです。
極簡単に言えば、本当に健康な状態を望むなら
性能の良い添加剤をいれるのではなく、詰まりをとってまず新車の性能に戻りましょう。
ということです。
この解放が出来るようになった後に初めて次のステップです。
社会や他人との関係の中で、どうやって自分を満たしていくのかを気づきの心理療法を行って培っていく事になります。
気づきについてはまた別で書こうと思います。