身体心理療法(バイオシンセシス)では、
センタリング、フェイシング、グラウンディングの基本モードを元にワークを行います。
これらは胎児が初期細胞層から形成していく3つの器官組織(三胚葉)と関連しています。
⓵内胚葉はエネルギーの代謝組織(腸壁の裏、消化器官、肺)
⓶中胚葉は筋肉、骨格、血管、心臓など
⓷外肺葉は神経組織、皮膚、感覚器官
を形成しています。
⓵感情の組織
⓶動きの組織
⓷思考の組織
と言い換えるとわかりやすいでしょう。
人生の様々なストレスにより、
これらの3つの層の不調和を起こしている事が、
病理的な心理状態、身体的な病気や症状になっているという事です。
カウンセリングと併用して身体や呼吸にアプローチしていくのは
この3つの胚葉の調和を回復する必要があるからです。
内胚葉と感情
人のエネルギーは、エネルギーの代謝効率に影響されています。
この代謝に大きく影響するのが感情です。
感情的に元気のない人、落ち込んでいる人はエネルギ―レベルが低下し
食欲が落ち、下痢になったりしますよね。
呼吸は浅く、気配を消している様な状態になります。
感情的に興奮している人はエネルギーが暴走しています。
暴飲暴食になり、便秘の方が多いです。
呼吸は粗々しく、常に緊張感がある状態です。
これらは副交感神経、交感神経の働きによるものです。
副交感神経は悲しみの感情、交感神経は怒りや恐れといった感情に関連しています。
つまり、人の感情的バランスは自律神経により調整されていると考える事が出来るのです。
自律神経は体内エネルギー代謝を行う全ての内臓に行き渡っています。
呼吸における肺の収縮と拡張、消化における腸の蠕動運動は、自律神経のシグナルに感応しています。
これは、中枢神経系が進化するずっと以前から生きている、単細胞生物の中にもあるものです。
人は何億年変わらず持っている原始的な器官でエネルギー生産をしているのです。
感情は原始的な反応であり、一般的に誤解されやすい認知の問題とは直接的な関係はありません。
センタリングのワークは
呼吸のリズム(代謝リズム)
自律神経のバランスを回復することが主なアプローチとなります。
呼吸は、生物が海から陸に上がる際に体験した波のリズムと言われます。
呼吸は生命力の源とも言えるでしょう。
中枢神経系(思考)を持たない原始的な生き物に戻り、思考の介在しない自然な呼吸に戻していくことで
バランスの取れた本来の感情へと回復することが出来ます。
数を数えたり、呼吸をコントロールすることは一度脇に置くことです。
これは、禅の「調息」にとても近いものです。
自然で深い呼吸により、内臓が適度に動き始め、自律神経も整うわけです。
これにより深い生命力が活性化し、
活き活きとした喜びを感じる感情的生活が回復していくのです。
感情のバランスがとれた人は「中心がとれた人」です。
自分の身体の中心を感じる事で確認することが出来ます。
中心は丹田、第2チャクラの位置に相当します。
仰向けで身体を床に預けて、一度自分の中心を感じてみてください。
いつもどの位自分の中心を感じられているでしょうか?
何か感情が湧き上がるのを感じるでしょうか?
思考が働きすぎたり、感覚が鈍くなっている方は
カウンセリングの前に「センタリング」のワークから始めるのが良いでしょう。